この記事は「真面目」を孤独にしない職場へ。をテーマに5回の連載でお送りしています😊
テーマや内容が深く重いですが、コーヒーを飲みながら、かる〜く読んでくれたら嬉しいです
第1話:良い職場ってなんだろう?
――「聖人君子」でいなければならない場所、になっていませんか。
医療や福祉の現場で働く私たちは、
どこかで「こうあるべき」という強い理想を抱いています。
病気を抱える方
障害と向き合う方
目の前の利用者様は、心身に痛みを抱えた方々です。
そんな方々を支える専門職は、
慈悲の心を持ち、誰よりも優しく、真面目であるべきだ――。
そう自分を律している人が、この業界には本当に多いと感じます。
「患者さんの前では、一言も弱音や不満を吐いてはいけない」。
こんなこと思ったことありませんか??
この思いが、あなたを、そしてあなたのチームの大切な仲間を、
いつの間にか追い詰めてはいないでしょうか。
または、追い詰めてしまった経験はないでしょうか?
ある優秀な仲間の沈黙: 「私の頑張りに、意味はあったのかな」
私の経験した、あるスタッフの話をさせてください。
彼女は本当に真面目で勉強熱心でした。
自ら進んで多くの資格を取り、
現場を良くするためのアイデアを次々と提案し、
実行してくれる。
後輩の面倒もよく見て、上司からの依頼も嫌な顔一つせず引き受ける。
まさに職場の「宝」のような存在でした。
しかしある日突然、彼女は職場に来なくなってしまいました。
後から彼女から聞こえてきた言葉。
「私がこれほど一生懸命やってきたことに、本当に意味なんてあったのかな」。
彼女を追い詰めたのは、仕事の量だけではありませんでした。
圧倒的な頑張りに対して、周囲がそれを受け止め、
「ありがとう」を言う余裕がなかったこと。
彼女の不満や不安を聞く余裕がなかったこと。
それが彼女を深い孤独へと突き落としてしまったのです。
周りのスタッフはわかっていたんです。
彼女の頑張りのおかげで、毎日が安全に終わることを。
でも、「ありがとう」の言葉をかける時間も、タイミングも
少ない職場でした。
承認欲求を満たすのは、評価シートではない
人間は、誰かに認められ、「ありがとう」と言われることで、
自分の行動に意味を見出します。
周りのスタッフが「いつも助かるよ」と声をかけたり、
上司が彼女の工夫に対し、「ありがとう」を言っていたらどうだったでしょうか。
言われた方は嬉しいですよね。
そして私のことを認めてくれてる!と満たされます。
ではなぜそれができなかったのか。。。。
余裕のない現場では、そうした「心のやり取り」が真っ先に削られます。
みなさんも経験はありませんか?
皆が自分の業務で手一杯な時、感謝の言葉すら忘れ去られてしまう。
その結果、「自分の価値」を見失ってしまうスタッフが出てきます。
特に、医療・福祉現場では、働いている方々の福祉の心、奉仕の気持ちが強いです。
仕事に「やりがい」を求め働いています。
もし、日常の中に「雑談」ができるような余白があったなら。
ふとした瞬間に「あのアイデア、良かったね」「最近、無理してない?」
と声をかけ合える環境があったなら、
彼女の糸は切れずに済んだかもしれません。
「真面目な人」を潰さないために
日本人の真面目さは素晴らしい美徳です。
しかし、その真面目さが優秀な人を潰す原因になってはいけません。
不満を完全にゼロにすることは難しくても、
それを吐き出し、
「そうだよね、大変だよね」と共感し合える場所
「ありがとう」「いつも助かってるよ」と言える余白があるかないか。
これだけで、心の持ちようは雲泥の差となります。
そんな雑談や、ちょっとした気配りができる職場にするには、余裕と余白が重要で、物理的に「人」が必要です。
「良い職場」の正解はありません。
ただ、聖人君子が集まる場所ではなく、
人間らしい弱音を許し合い、
お互いに感謝の気持ちを伝えられて、お互い尊敬し合える。
技術や学識よりも、人間しかできない「心」の気配りが
一番重要な要素なのかもしれません。
AIで色んなことが便利になりましたが
医療・福祉の世界では、「人」。「人」が要です。