人材育成やチームづくりにおいて、私たちが日常的に向き合う「人の成長」。
今回は、私が最近甥っ子と過ごす時間の中で得た、大切な気づきについてお話ししたいと思います。
教えることの楽しさと、ふと気づいた「小さな違和感」
最近、甥っ子と一緒に過ごす機会が多く、「子供の吸収力や成長スピードは本当にすごいな」と感嘆することばかりです。
素手で虫をパッと掴む度胸もあれば、何かを教えるとあっあっという間に吸収して、すぐ自分のものにしてしまう順応性の高さもあります。見ているだけで本当に「すごい!」という言葉しか出てきません。
しかし、そんな彼と過ごす日常の中で、もうひとつ強く心に残る出来事がありました。
じっくりと眺めて「待つ」時間の贅沢さ
彼が自分で靴を履くとき、リュックや水筒を背負うとき。最初はものすごくゆっくりで、なかなか上手くできません。
考えてみれば、当然のことです。何度も繰り返していれば手順もコツもわかってきますが、経験したことがないことに最初から要領よく対応できるわけがありません。
私は彼が自分でできるようになるまで、手を貸さず、ただ横でじっとその様子を眺めて待っていました。
そのとき、ふと頭に浮かんだのです。
「こうして相手のペースに合わせてじっくり待ち、見守る時間というのは、実はとても贅沢な時間なのではないか」
忙しさが奪ってしまう「成長の機会」
日々の業務や生活の中でスケジュールに追われていたり、心に余裕がない状態だと、つい以下のような行動をとってしまいがちです。
- 「早くして!」と指示を出してしまう
- 痺れを切らして、こちらの手で最後までやってしまう
もちろん、業務の効率や時間の制限がある場面では仕方のないケースもあります。しかし、これを繰り返してしまうと、本人が自分のペースで試行錯誤しながら成長しようとする貴重なプロセスを、周りが邪魔してしまうことになります。
焦らずに「待つ」姿勢を持つことで、
- 本人の力でやり遂げる達成感を尊重できる
- 相手の成長の過程を深く理解し、寄り添うことができる
という大きな価値が生まれます。
「待てる人」こそが、人の成長を伴走できる
「待つことができる」という状態は、自分自身の時間と心に「余裕」があることの証でもあります。
余裕がなければ目の前の事象に追われ、相手の変化や成長に目を配ることはできません。心に余白があるからこそ、相手のペースを尊重し、待つことができるのです。
「人の成長を支え、伸ばすことができる人とは、その人の成長をじっくり待てる人である」
これが、今回私が甥っ子との時間から学んだ最大の教訓でした。
これからの人材育成に向けて
どれほど優れたカリキュラムや指導法があっても、最終的に成長するのは「その人自身」です。
「あ、今この人は成長の途中にいるんだな」と温かく見守り、少し待ってあげる姿勢。私自身もこれからビジネスや人材育成の現場において、心に余裕を持ちながら「待つ」というアプローチを大切にしていきたいと思います