特定技能(介護)人材の受け入れを検討する企業・施設において、最も懸念される要素の一つが「コミュニケーション(言葉の壁)」です。「指示が正確に伝わるか」「利用者様と円滑な関係を築けるか」という不安から、採用に踏み切れないケースも少なくありません。
しかし、特定技能(介護)の在留資格を取得するためには、厳格な2つの日本語試験への合格が義務付けられており、来日時点で一定水準以上の業務コミュニケーション能力が担保されています。
本コラムでは、特定技能スタッフが来日前に突破してくる試験の具体的な内容と、現場における日本語力のリアルについて解説します。
1. 基礎的な日本語能力を証明する「JFT-Basic / JLPT」
特定技能の必須要件として、まずは一般的な日本語でのコミュニケーション能力を測る、以下のいずれかの試験に合格する必要があります。
該当する試験:
- JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト): A2レベル以上
- JLPT(日本語能力試験): N4レベル以上
担保される能力:
これらの試験をクリアしている人材は、「ゆっくりと話されれば、日常生活の基本的な会話や、職場での簡単な指示・連絡を大枠で理解できる」レベルの語彙・漢字力を持っています。これにより、来日直後の生活や業務の初期指導において、致命的なコミュニケーション不全が起きるリスクを低減させています。
2. 現場直結のコミュニケーション力を測る「介護日本語評価試験」
特定技能(介護)の最大の強みは、上記の一般試験に加え、業界特有の専門試験である「介護日本語評価試験」への合格が必須となっている点です。
この試験では、日本の介護現場特有の語彙や表現力が重点的に審査されます。
具体的な出題・測定内容:
- 介護の言葉(専門語彙): 「つえ」「車椅子」「着替え」「手すり」といった福祉用具の名称や、「おでこ」「手のひら」などの身体部位の呼称。
- 介護の声かけ(コミュニケーション): 介助を始める際の「今から〜しますね」という声かけや、体調を気遣う表現など、利用者の尊厳に配慮した適切な会話技法。
- 職場の日本語: 日本人スタッフや介護リーダーからの指示、簡単な申し送り文の理解度。
まとめ:専門的な事前試験が、現場でのトラブルを防ぐ
以上の通り、特定技能(介護)の人材は、「生活のための日本語」と「介護のための日本語」の2つのハードルを現地の訓練校で必死にクリアして来日します。
そのため、「現場の専門用語が全く通じない」といった初期の混乱を防ぎ、日本人スタッフの精神的・時間的な指導コストを最小限に抑えることが可能です。
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