はじめに:安易な気持ちでは越えられない現場がある
株式会社RKIでは、特定技能をはじめとする外国人材の就労支援を行っています。その中で、介護や医療の現場を目指す求職者の方々と面談をする際、私たちが必ず時間をかけて伝えていることがあります。
それは、求人票に並ぶ条件や綺麗な言葉だけではなく、「日本の医療・介護現場における本当の厳しさと、求められる覚悟」についてです。
「日本の福祉や医療の世界は、生半可な気持ちで務まるほど甘くはありません。もし軽い気持ちで来ようとしているなら、考え直してほしい」
人材紹介や支援を事業とする立場からすれば、優しい言葉ばかりをかけて一人でも多くマッチングさせる方が、短期的には効率が良いのかもしれません。しかし、私たちはそのような支援を行うつもりはありません。
私自身、長年医療現場に携わってきた人間として、この業界の素晴らしさと同時に、現場の過酷さや本質を身をもって知っているからです。
介護・医療は「モノ」ではなく「人」と向き合う仕事
介護や看護助手の仕事は、単なるマニュアル通りの作業ではありません。向き合う対象は、意志を持ち、感情を持った「人間」です。
一般的なサービス業であれば、注文された商品や料理を提供することで業務が完結することもあるでしょう。しかし、対人援助・医療ケアの現場ではそうはいきません。
利用者の皆さんが起きてから寝るまで、あるいは生活のあらゆる場面において、常に命と安全に目を配り、寄り添い続ける必要があります。
- 予期せぬ危険を未然に防ぎ、安心できる生活をサポートすること
- 一人ひとりの尊厳を守り、その人らしい生き方を支えること
- 看護師や他のスタッフと緊密に連携し、チームとして機能すること
ここには、高度なホスピタリティ(おもてなしの心)、確かな介護・医療技術、そして何より「強い忍耐力」が求められます。「ただ日本で働いてお金を稼ぎたい」という目的だけでは、途中で壁にぶつかってしまうのが現実です。
現場のリアリティ(現実)を包み隠さず話す理由
介護や医療の現場では、綺麗なことばかりが起きるわけではありません。
利用者の認知症の症状や、精神的に不安定な状態によっては、感情のコントロールが難しくなり、スタッフが叩かれたり、蹴られたり、噛みつかれたりすることもあります。時には突き飛ばされたり、混乱から思わぬ行動に発展することもあります。
私自身も現場でこうした局面を経験してきました。だからこそ、面談ではあえてこの「現場のリアル」を隠さずに伝えます。
「予期せぬ困難に直面することもある。それでもあなたはこの現場に立ち、相手を支え続ける覚悟がありますか?」と。
脅かしたいわけでも、来るのを拒みたいわけでもありません。覚悟がないまま入職し、現場で打ちのめされ、本人にとっても受け入れる施設にとっても不幸な結果になるのを防ぎたいのです。
日本の医療・介護技術は、世界に誇れる「学び」の宝庫
私たちが伝えたいのは、決して怖がらせることではありません。 この厳しい現場の先にある「日本の医療・福祉が持つ圧倒的な質の高さ」です。
日本の介護技術や医療現場での細やかな配慮、ホスピタリティは、世界的に見てもトップレベルです。
- 「日本の高度な介護・医療技術を身につけたい」
- 「厳しい環境の中でも、人と向き合い自分自身を成長させたい」
そうした強い成長意欲や情熱を持つ人にとって、日本の現場はこれ以上ない学びと飛躍の場になります。
結び:本気の「覚悟」を持つ人と、日本の現場を繋ぐために
誰でもいいからと送り出すのは、現場で働くスタッフにとっても、目の前の利用者さんにとっても、そして何より志を持って来日する外国人材にとっても無責任な行為です。
だからこそ、私たちは面談の段階で厳しい現実を話し、一人ひとりの「本気度」と向き合います。
厳しい問いかけに対しても目をそらさず、「それでも挑戦したい」「ここで成長したい」と強い意志を示してくれる人材に出会えたとき、私たちは全力でその挑戦をバックアップすることを決意します。
日本の素晴らしい医療・福祉現場の未来を守るために。 そして、覚悟を持って挑戦する外国人の未来を輝かせるために。
私たちはこれからも、真摯に現場のリアルと向き合い、質の高いマッチングと支援を続けてまいります。